2018年11月10日土曜日

外とのつながりを作ろう!(前編)

 117日に金魚坂さんで珈琲をいただきながら、ゆっこMina対談して録音したものを文字起こししたものです。
 以下、ゆっこ⇒ゆ、MinaM です。

ゆ「全国の児童相談所に寄せられる虐待相談の件数では、一位が大阪で、二位が東京。どちらも一年間で一万件を超えているんですよね。東京の方が人も多いのに、大阪が一位で…」

M「児童相談センターも(東京の方が)多そうなのに」

ゆ「23区内だけ見ても児童相談所が少ないので、2020年に新たに児童相談所が増えるので、相談件数も増えるかなと。今は児童相談所の数が少ないし、職員の数も少ないので、対応件数が少ないのではないかと。あと雰囲気に違いがあるのかなと。東京だと悲鳴とか聞こえてきても、他人様の…って感じで少ないのかなと」

M「一年間で一万件ですか、365日で割ると、一日に300件以上あるということですね」

ゆ「そうですね。ただ、対応件数なので、それだけ救われた子がいるという意味ではいいかなと」

M「なるほどね。(親に虐待された人同士の)仲間づくり(が必要)だと思うんですけどね。今さんも言ってるけど、『こういうつらい思いをしているのは自分だけなんじゃないのか』と思っている人がいて、『自分だけではないんだな』と(被虐待の当事者同士が)知り合えますよと旗持って全国回ってるのが今さんのイメージ。経験談そのものを面白がるのが目的じゃなくて、経験談もするけど『お互いに経験があるんだ』ってのをシェアするのが本当の目的。その先、どう解決するかというのはまだ見つかってないんだけど、そこにいろんな人をまきこむ。わたしは当事者じゃないのに足突っ込んでいるけど(笑)」

ゆ「心強いです」

M「当事者の『これに困ってるんです』と言う人がいて、『それじゃあこうした方がいいんじゃないかな』と言う人が現れて、何かできることはあるという風に解決に向かえるんじゃないかと」

ゆ「ただ、そういう時にメサイア・コンプレックスが怖いね。『これだけ助けたんだから感謝しろ』と言うと、支援ではなくて、支配になってしまう。それは支援ポルノだから」

M「そう、支配になりそうになる時は、わたしも気をつけないとなって思う時がある。なので『これだけやったら喜んでくれるかな』とあてにする自分がいるのだけど、それを通り越して日常になったということがあって。続けていると支援者にとってもいいことあるよって。気持ち的に支配にならないようにしなきゃってところがありますね。私の場合は近かったら出かけて行くし、遠かったら出向いていくし」

ゆ「私達の開催する子ども虐待防止策の講演会も、被虐待の当事者の声を大事にする点が防止策をリニューアルする意味では、最前線の発想ですから」

M「今さんも自分でおっしゃってますけど、最前線だって。全国飛び回る今さんのやりかたがいい。地域の人じゃないと借りられない施設があるし、地域の人に準備してもらって講演することはできるなって(気づいた)。『よのなかを変える技術』をパラパラ読んでいたら、2008年くらいからやってたんだと思って、私はスカイプとかって当時使ってなかったですし、もう10年前からやっていたって、最先端ですね」

ゆ「社会起業の話も2007年に東京大学でも講義をしていたそうですね」

M「当事者からちゃんと話を聞くというのが最先端ですね。その人たちから得た知識、ノウハウが(今では)ツイッターでこれ困ってるという人に直接話しかけられるから、支援施設に勤めていたわけではなくても情報が入ってくる。わたしもツイッターは5年間くらいやってるけど、施設にはパソコンに強い人がいないらしくて、使いこなせている人に会えるのはネット上だけなのよね」

ゆ「なるほど」

M「ツイッターでは最初の頃、頼られてしまうんではないかなというところが心配だった。一度頼られると大変なのかなと思っていたけど、全然そんなことなくて。たとえば『頼らなければ生きていけないのでは』とかすごい先入観あると思うんですよ。でも全然そんなことなくて、私は見える範囲しか手伝ってないし、それでいいし」

ゆ「どこまで手助けをすればいいのか、わかっているところを見ると、福祉の仕事は天職ですよね」

M5年やってますから。声かけても『やっぱいいです』という人もいるし、ネット上でもいっぱいしゃべりましたし、自分でイベントを開く時も、(目の見えない人は)駅から会場まで連れていけば大丈夫という感じ。福祉窓口の人に聞いたんですけど、高齢者の集まりはあるのに、障害者向けには集まりは無いから、どう対応していいかわからないと。視覚障害の人は見えない範囲を連れていけば全然大丈夫なんだけどなって思って」

ゆ「当事者にとってはげみになりますね」

M「視覚障害の人と違って難しいのは、何をしていいのかわからないこと。目の見えない人は、見えることで代わりになれるから。でも、親から虐待された人に対して、何をしていいのかわからない」

ゆ「ころばぬ先の杖になれればいいけど、まだふにゃってなりそう」

M「今さんが言っていた、親三人とかいいアイデアだと思っていて、見張っている人がいてもいいのかなと」

ゆ「アズママってところがあるじゃあないですか、ワンコインで子どもを預け合うっていう。『ああ、私はママ友いないから』となりがちの人が孤立しがちですけど、仲のいいママ友関係を作り出そうとしてますね。子どもをお互いに預け合う仕組みがいいのね」

M「今さんも言ってるけど、『助けて』と言える場所、ツイッターっていいと思うんですよ。ネット禁止されてると、会える範囲が狭くなりますよね。私は白杖の人にはがんがん声かけています。白杖の人は目印がありますけど、虐待の人には無いじゃないですか」

ゆ「他人の家庭の不穏な空気は、外からじゃわからないですよね。『他人の家庭に口出しするな』と言われたら、だまるしかない…。親権が強すぎるから。けど、ひとりでは育てられない」

(話は後編につづく)

子ども虐待防止策の講演会については…
https://2018actokyo.blogspot.com/2018/09/ac-tokyo2018-kokuti.html


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